下肢静脈血栓(腸骨のねじれ)
下肢静脈血栓とは、ふくらはぎ、下腹部、鼠径部(そけいぶ)に血栓ができる病気です。血栓は、血管の中に血の固まりができてしまう現象ですが、血栓がな ぜできるのかは、まだ科学的に解明されていません。
しかし、人間はどんな病気で死に至ろうとも、最終的には血栓ができて、その血栓の影響で死を迎えることになるのです。
下肢静脈血栓は、近年よく耳にする「エコノミークラス症候群」のように、乗り物のシートに同じ姿勢で長時間座り続けたりすると発生しますし、外傷や手術 などでは特に高率で発生します。
そして、下肢静脈にできた血栓が肺動脈に流れて肺塞栓になると、そのまま死亡する確率もグンと高くなります。
この下肢静脈血栓というのは、実は圧倒的に左側に多く発生するものなのですが、その原因は、右腸骨動脈と左腸骨静脈とが交差する、解剖学 上の位置関係のためだと言われています。 つまり、医学的にみて、人体の構造的欠陥に由来するものだと考えられているのです。しかし、左側に多く発生することからみれば、これは「ねじれ現象」に よる腸骨のねじれが原因ではないかと私は考えます。腸骨のねじれが、腰痛などの様々な痛みの原因となることは「ねじれ現象」のシリーズでもお伝えしました が、腸骨がねじれると、必ず腰椎5番が左にズレます。
すると、右腸骨動脈と左腸骨静脈が交差する部分に血管を圧迫する力が働きます。このため、下肢静脈血栓が左側に多発するのではないかと考え ているのです。
下肢静脈血栓は、一旦できてしまうと非常に治りにくいやっかいなものですし、それが肺塞栓の原因にもなるとなれば、爆弾を抱えて生活する ようなものです。そうならないためにも、腸骨のねじれ予防のためには、日頃からしっかり歩くようにしてください。デスクワークで長時間座っている状態もエ コノミークラス症候群を引き起こしますので、せめて1時間に1回は立ち上がって、軽く屈伸運動などをするようにしてください。