捻挫 曲がった足首


 街中でハイヒールを履いた女性を見ると、足首の捻挫(ねんざ)が心配になります。
  結構な割合で、足首が曲がっている方がいますが、これは、以前、足首を捻挫したのをそのままにしていて、ズレた位置で固まっているせいなの です。
 ほとんどの方は、過去に大なり小なり足首の捻挫を経験しているでしょう。ひどい場合だと足首の脱臼にまでなってしまいますが、この捻挫と脱臼の違いは、 一般の方はあまりご存知ないかも知れませんね。

  よく起きる捻挫は、足首を強い力でひねってしまったことで、骨と骨とを結合している靭帯と呼ばれる組織が傷ついたり、断裂したりして も、関節自体 にはズレが生じていない症状のことです。

  それに対して、足首の靭帯が断裂して、関節までズレてしまっているのが脱臼です。  これがいわゆる整形外科的な説明で、関節のズレがあるかないかが、捻挫と脱臼の違いだと定義しているわけです。

   捻挫のほとんどは、足先を内側に強く曲げてしまったことで生じ、くるぶ  しの下の部分(外側)が腫れて痛みます。
  それだけなら、たいていは数日で自然に痛みは収まります。しかし、整形外科的には関節はズレていないはずなのに、実際には、痛みが収まって も、足首が曲がったままの方が大勢いらっしゃいます。

  先ほど挙げた整形外科的な説明では、脱臼と捻挫の違いは、足首の関節のズレの有無だったはずですが、実は、捻挫にも関節のズレが起 こっているのです。私が診たところでは、そのズレこそが捻挫の痛みや腫れの原因となっているようです。

  その証拠に、靭帯が断裂していない状態なら、関節のズレを矯正すると痛みはその場で消失しますし、腫れも短時間で収まります。

  つまり、医学的な脱臼と捻挫の違いの定義は間違っていると言えるのです。そのため、整形外科では、靭帯が完全に断裂していない捻挫に は、湿布剤を処方する程度の処置で済ませてしまいます。

 しかし、湿布を貼ってもズレた関節はそのままですので、足首が曲がったままで固定してしまうことになります。これは、自然に元の位置に戻ることは ありません。

  確かに、足首が曲がっていても、すぐに日常生活に支障を及ぼすわけではありませんが、本来あるべき形ではないわけですから、長い年月 経つと膝や股  関節に影響がないとは言いきれないのです。
 今後、もし捻挫してしまったら、まずは整形外科で靭帯の断裂の有無を調べてもらって、靭帯が断裂してなければ、後は、整骨院などで足首の関節のズレたと ころを矯正してもらうのが良いでしょう。  足首の矯正は簡単ですし、治療家の腕が確かなら、矯正自体には痛みもないはずです。  





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