出産後の骨盤のゆがみ?骨盤輪不安定症


 最近あちこちで言われるようになったせいでしょうか、出産後、骨盤のゆがみを必要以上に気にする人が増えています。実際には問題がないことが多いのです が、腰痛などの症状があるようなら、  整形外科では「骨盤輪不安定症(こつばんりんふあんていしょう)」と診断されることがあります。
  これは、出産で骨盤に負荷がかかったことできた、仙腸関節や恥骨結合部の外傷だと言われています。「骨盤輪不安定症」だと診断されると、整 形外科では、骨盤輪の固定装具(コルセット)の装着や、鎮痛剤の処方を勧めます。

  しかし、コルセットでは骨盤の矯正はできませんので、治療効果には疑問があります。また、鎮痛剤を飲むなら、授乳もストップしなければなり ません。
  「骨盤輪不安定症」でなくても、妊娠中や子育て中のお母さんは、なにかと腰に負担がかかりますので、腰痛がつきものです。腰痛で受診する と、鎮痛剤を処方されるケースが多いものの、妊娠中や授乳中は、摂取した薬の影響が赤ちゃんに及んでしまうので、そのまま薬を飲むわけにはいきません。  このことはお母さん自身はよくご存じのはずですが、病院でちゃんと考えて処方してくれているはずだ、と安心していると危険です。
  整形外科では、赤ちゃんへの影響まで考慮して処方しているとは限らないので、お母さん本人が十分に気を付ける必要があるのです。

   さて、出産後に「骨盤輪不安定症」だと診断されている方の体を実際に診てみると、必ず腸骨(骨盤)の左側が上で右側が下にズレているのが わかります。
  これは、ねじれ現象の法則通りですから、整形外科で言われるように、「骨盤輪不安定症」が力学的な原因で発症しているとは、私には考えにく いのです。
 元々ねじれ現象で発生していた仙腸関節のズレに、出産時に負荷がかかってズレが増幅したために、痛みが出るようになったと考えられるのです。このこと は、ズレを矯正すれば痛みが消失してしまう事実からも、妥当だと思われます。

   もし、骨盤のゆがみやズレが気になるようなら、自分でも調べることができます。恥骨結合(股間の骨)を軽く指で押してみてください。
 いやな痛みを感じるようなら、骨盤にズレがあると考えられます。ズレていても、よく歩くようにすると、骨盤は自然に矯正されます。骨盤はとてもズレやす いもので、車の運転時に、右足でアクセルを踏み込む動作をしただけでも、ズレが助長するくらいです。

  しかし、それだけズレやすい分、正しい姿勢で等間隔の歩幅で歩くだけでも容易に矯正されます。  しっかり歩いて代謝をよくすれば、ねじれ現象の予防にもなりますので、毎日1万歩を目標にして、歩くことを習慣にしてください。 

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