鼠径部に痛みが走る


  珍しい症状ではありますが、鼠蹊部に痛みが出る方がいます。鼠蹊部とは、もものつけねあたりのことですが、ここに痛みを感じる病気には、尿管結石や虫 垂炎などがあります。尿管結石でも、石が小さすぎるとエコーでは見つからないこともありますし、他にも様々な病気が原因として考えられますが、病院で一通 り検査をしても全く異常が見当たらないことがあります。

  そういうときには、胸椎12番の肋骨部分のズレを疑ってみてください。実は、この部分がズレると、肋下神経を圧迫して、鼠径部に痛みが走る ことがあるのです。
  この肋下神経の圧迫と鼠径部の痛みとの関係は、以前お伝えした腸骨のズレがヒザに痛みを出す例と同様に、医学的にはまだ全く言及されたこと がないようです。

  そのため、原因不明で病院で検査を繰り返している方もおられるはずです。
  私の場合、患者さんからどこかが痛いといわれれば、まずはその痛む部分を見て、触って、その場所自体に異常がないかを確かめます。
  そこに問題がなければ、次には、痛みを出している場所に伸びている神経をさかのぼっていって、その先の骨がズレていないかをチェックしま す。どの骨からどこに神経が伸びているかは、詳細な解剖図が頭に入ってないとわからないことですが、逆にいえば、それがわかっていれば、痛みの元をた  どるのも案外簡単なことなのです。

  この鼠蹊部の痛みの場合も、たどっていった先の肋骨部分のズレを矯正すると、痛みはその場で消えました。矯正に要する時間も、ほんの数秒の 簡単なものです。

  このことからも、この胸椎のズレと鼠蹊部の痛みとの因果関係は、疑いようがないといえます。   まだ症例が少ないのではっきりとはいえませんが、この鼠蹊部の痛みは、どうも左側に集中しているようですので、これも「ねじれ現象」のひとつではない かと考えています。

   あなたも鼠蹊部に痛みがあって、病院の検査では異常が見つからないようなら、肋骨のズレを疑ってみてください。その場合、両手の平を手首 をねじった形で合わせて、そのまま頭の上に腕を  突き上げるように伸ばします。
  その状態で腰は曲げないで、上半身を左右に軽くねじるようにしてみてください。  軽いズレなら、この体操をやれば自分で矯正できるようです。
 私も、どこも痛くなくても、毎晩寝る前に予防のためにこの体操をやるようにしています。後は、冷やさないようにして、早く寝てください。 

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