事故の後遺症


 交通事故などに遭って、何年もしてから身体のあちこちに痛みやしびれなどの症状が現れることがあります。  一般的には、これらも事故の後遺症に含まれます。人によっては、起き上がることすらできなくて、寝たきり状態になってしまうこともあるほどです。
 では、それほどの症状が、なぜ事故の直後に現れないで後になってから出てくるのでしょうか。     
 事故の直後には、取り敢えず衝撃を受けただろうと思われる部位だけをレントゲンなどで検査をします。そこで骨折などがなければ、画像上は問題なしとされ ますし、その時点で本人にもさしたる自覚症状がなければ、病院でもそれ以上の検査の必要もないわけです。
  しかし、事故などで強い衝撃を受けた身体には、椎間板に亀裂が入ったり、周りの組織にダメージが生じたりしているのです。もちろん、椎間板 に亀裂が生じただけでは痛みなどは感じませんし、レントゲンなどの画像診断でも異常は発見できません。
  これで一生症状が出なければ良いのですが、実は、椎間板に亀裂が入った状態は自然にはなかなか修復されないのです。椎間板は椎骨を支えてい ますので、そこに亀裂が入っているのは非常に不安定な状態です。
  この不安定な状態で「ねじれ現象」が発生すれば、椎骨は容易に倒れ込みますので、それが知覚神経を圧迫します。
 こうなると、痛みやしびれなどの症状が出ることになるのです。 ですから、椎間板の亀裂や組織のダメージが治っていなければ、事故から何年経っていようが、首、背中、腰などの痛みやしびれ、重だるさや可動の悪さなどの 症状が現れることはあり得るのです。

  事故から年数が経っていると、事故との因果関係が特定しにくくなります。そうすると、検査を受けても、心因性の症状と間違われてしまう可能 性がありますので、このことは、事故に遭われた方やご家族の方は知っておいたほうが良いでしょう。
 もちろん、事故に遭っていようといまいと、「ねじれ現象」が起きないように気をつけていただくことは大切です。 

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