顎関節症
顎関節症とは、口を大きく開けられなくなったり、口の開閉時にカクカクと音がするなどの症状を出す疾患です。
口腔外科では、咀嚼筋(噛むための筋肉)の障害、顎関節組織の障害、ストレスが原因だとされています。
特に、顎関節の中にある関節円板に障害のあるものが、大部分を占めると言われています。
病院での治療法としては、スプリント、薬物療法、手術などがありますが、決定的な治療法はまだないようです。
しかし、私が診たところでは、顎関節症の方は、必ずと言って良いほど、頚椎1番(首の一番上の骨)がズレています。
この頚椎1番の骨は、環椎とも呼ばれ、他の椎骨と違って特殊な形をしていて、横突起と言う、横に伸びている突起が、他の椎骨よりも長く出て いるのが特徴です。
この突起が長いので、環椎がズレると、下顎骨や靭帯に影響し、下顎が後ろにズレるようになります。 これが、顎関節症の原因になっていると私はみています。
この場合は、環椎のズレを矯正すると、口が大きく開くようになり、開閉時の音もしなくなります。 しかし、逆に、下顎が前にズレている場合は、歯のかみ合わせに原因があると思われますので、その場合は、歯医者さんで歯列矯正をするのが良いでしょう。
環椎は、構造上、単独では人体のねじれ現象の影響は受けにくく、頭骨、もしくは頚椎2番のねじれと一緒にズレるため、左右どちらにでもズ レを起こします。
左右どちらにズレていても、顎関節と環椎のズレの方向は一致しています。
統計的な数字は出ていないようですが、左側に問題のある顎関節症の方が多いと感じている歯科医もおられます。
私が診た限りでも、環椎が左にズレている方が多いようですので、大半は、ねじれ現象が原因であると言えると思います。
環椎は、頭を前後と斜め後方に動かすのを担当する骨ですので、日頃から頭を回すような首の運動を習慣にするといいですね。
意外かも知れませんが、顎関節症予防にも、ラジオ体操を毎日やるのがお勧めです。