アキレス腱の痛み
アキレス腱が痛くなって、アキレス腱の根元の部分が腫れ上がり、歩行まで困難になってしまう方がいます。
そのような症状で整形外科に行くと、「アキレス腱滑液包炎」や「アキレス
腱周囲炎」と診断されます。
整形外科では、原因は、靴などの刺激や足の筋肉の使いすぎで、踵の骨とアキレス腱の間にある滑液包に炎症が起こったためだとされています。
そして、症状が軽いようなら湿布剤や鎮痛剤が処方されますが、ひどい場合には手術になるようです。
しかし、私が診てみると、この症状が出ている方は、踵の部分にある距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)がズレています。
症状の原因がズレである証拠に、このズレた骨を元の位置に戻してやると、すぐに痛みや腫れは消失してしまいます。ですから、この症状
は、距骨と踵骨の単なる捻挫によるものではないかと私は見ているのです。
通常の足首の捻挫の場合は、足首が外側に倒れ込んで、くるぶしの下の部分に痛みや腫れが出ますが、今回のようにアキレス腱が痛む場合は、つ
ま先を丸めて、前につまずくような形で足首を捻挫した時に起こるようです。
この症状がバレエダンサーの方に多く見られるのも、そういうポーズをとる機会が一般の方よりも圧倒的に多いせいでしょう。
一般の方の場合、長時間正座して足の感覚が麻痺したまま立ち上がろうとした時や、はしごの昇り降りの時に、このタイプの捻挫を起こしやすい
ので、ご注意ください。
現在のところ、残念ながら整形外科にはこの症状に対する根本的な治療法はありません。
しかし、原因が痛風や他の病気である可能性も考えられますので、一旦はきちんと受診して、医師に診断してもらう必要があります。
その上で、原因が内科的な問題でもなく、腱の断裂や骨折でもないとわかれば、後は、患部を刺激しないようにして、できるだけ安静にし てください。